2013年3月28日木曜日

ホイールは硬い方が良いのか?

シクロワイアードにENVEの記事が紹介されてました。

エンヴィホイール乗り比べインプレッション

ENVEの凄さが分かりやすく紹介されてます。
これを読むと如何にENVEが気合を入れて、他とは違う高品質なリムを作ってるのかわかります。
いやぁ凄い!
ニップルのホールをENVEはこうやって作ってたんですね。
この金型を使ってニップルホールを作る製法だと、細かな対応は出来ませんが物の完成度は格段に高まります。
理想なのは、これに加えてハブもしっかり専用設計することですが・・・DTとか協力してくれないのかな?
で、これを見て思ったのですが、こうやってニップルホールを作ることでリムの強度(剛性とも言える?)が上がり、高いスポークテンションを張る事が出来るようなった・・・
という事はリムはやはり剛性が高い、強度が高い方が良いのでしょうか?
そもそも高いスポークテンションの部分も少し引っかかります。
高けりゃ良いってモノじゃないでしょうから。
硬いリムを使って、スポークキンキンに張れば良いホイールができるのか?

・・・案外出来るのかもしれません。
それがよく言われるのが先日も紹介したKsyriumだと思います。
リムは硬いそうで、切削加工され軽量も少し意識。しかしKsyriumのリムは軽くないそうですが・・・430gくらい。
ニップル周辺は更に高強度にしてあります。
そのおかげで大して軽くないリムでも定評のあるホイールになってます。
なので、リムの硬さは重要なんでしょう。
リムが硬いと、リムが変形しないのでその分だけ変形エネルギーロスもなくなりますし、真円が保たれますから良く進み、良く転がるんだと思います。
しかし、だからといってスポークもキンキンにすると・・・乗り心地が悪くなったりします。
また、これは私の持論ですが、 高いテンションでスポークを張ると駆動力の伝達ラグが少なくなりペダリングが乱れてるとその悪影響が大きく走りに出ると思ってます。
なのでスポークテンションは低くすれば良いというわけでもありませんが張りすぎてもダメだと思います。
この考えから硬いリムは、最初に述べた変形エネルギーロスや真円の話に加えて、

スポークテンションが多少低くても硬いリムなら強度が保てる

という理由から重要視されてるのではないかと思います。
これなら多少テンションを下げて、乱れたペダリングを許容できるようにした方が乗りやすくなりそうです。

もちろん、スポークテンションを上げなければならない場合があります。
それは少スポークの場合です。
ただし、これはスポークが少ない代わりに1本1本に大きな力がかかるようになるので単に力が集中してるだけです。
32Hのホイールと16Hのホイールをどちらも高いスポークテンションで組んでも同じ結果にはなりません。
仮に100の力が加えられるなら

100/32= 3.125
100/16= 6.25

1本当たりに掛かる力は32Hなら3.125、16Hなら6.25と大きな違いが出ます。
1本に当たる力が大きくなればそれだけスポークも変形するはずですから高テンションでも乗り心地の悪化はあるにはあるんですが、比例して悪くなってるというわけではないと思います。

この事から、私の考えではホイールはリムはとにかく硬く、スポークは程ほどなテンションにするのが良い、という答えが出てます。
ただ、これはホイール単体で見た話で、フレームとかトータルで考えようとすると違います。
また、ペダリングが綺麗な人はスポークのテンションを高めても良いと思いますし、当然体重を考慮してテンションを決めないとホイールが変形してしまうと思います。
ただ、ちょっと気になるのがスポークの変形ってどれくらいのロスを生んでしまうんだろう?って事です。これが大きいなら私の理論は結構危うくなって、スポークは出来るだけ高いテンションにすべきという事になってしまいますw

結局のところ、リムが硬いだけではダメで、他の要素を考慮しながらスポークで調整しないといけない・・・となると完組みより、しっかり調整した手組みが作れれば完成度では同レベルもしくはそれ以上になるのではないか?
と思います。
ただ、去年何度も書きましたが、スポークテンションだけでなくパターンや交差、横剛性とかハブの寸法とか色々関係してくるので無茶苦茶複雑です。
結局は、餅は餅屋、ホイールはホイール屋に任せるのが最適ですね。
ただ、勉強して良いホイール屋を見つけれるようにするのは重要なのでこういったことを考えるのは無駄にはならないでしょう。
難しいですが、あれこれ考えるのは楽しいですね。
では、今日はここまで。

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