2013年4月25日木曜日

どこを柔らかくして性能と剛性を高めるか?

先日からずっとこのことを考えてました。
自転車のどこを柔らかくするのが良いのだろう?
どこを柔らかくすれば快適になるのだろう?
どこを柔らかくすれば剛性を犠牲にしないだろう?
どこを柔らかくすれば性能を高めれるだろう?

硬いRA6やGP4000S、手組ホイール、フルカーボンサドルなどを使ってきましたが、その経験からするとやはり剛性は高ければ高いほど良いというわけではないと思います。
ただし、安易に剛性を下げれば良いという訳でもないと思います。
剛性を下げれば悪影響が出ます。
これは絶対避けれません。
簡単な話として変形エネルギーのロスです。
タイヤなんかのヒステリシス損失が良い例です。
タイヤとかは荷重により変形しますが元の形に戻ります。
しかし元に戻ったからといってエネルギーが全て戻るわけではなく、タイヤの場合は熱エネルギーに一部変化してしまいます。
これらは他のものでもあります。
完全にエネルギーが保存されるということはまずありません。
更に言うと、変形前の状態で精度が出てるものが、変形するとことで精度が出てない状態になってしまうとそれにより走行の悪影響が出るはずです。
これも例としてはフレームのねじれ剛性の話が良いと思います。
快適性の高いフレームでは、ねじれ剛性を調整していたりします。
そうすることでダンシングのリズムを作りやすくしたりしてますが、これは本気でもがくと問題が出る場合があるそうです。
思いっきりスプリントしたとフレームが変形してリアホイールがブレーキシューに当たってしまうことが出るそうです。
これは明らかな悪影響です。
そのため、プロではスプリントの前にブレーキのクイックを操作して開放しておいたりすることがあるそうです。
そうすれば確かに、ブレーキシューに当たらなくなるので悪影響は少なくなりますが・・・そもそもイレギュラーな状態で悪影響が出ないようにしただけなので、もがいた直後にブレーキをかけないといけない状態が発生したとすると・・・
考えたくもありません。

なのでやはり安易に剛性を下げるわけには行きません。
しかし逆の場合を考えましょう。
たとえばロードではないのですがMTBで考えましょう。
MTBではサスペンションがついてます。
しかし、サスペンションがあることで路面追従性能が飛躍的に上昇するのでグリップがよくなり、走りも安定します。
サスペンションが無いと弾かれてしまいコントロールを失ってしまいます。
この場合は明らかに剛性を下げてでもサスペンションがあった方が良い例です。

じゃあどこなら悪影響が少ないのだろう・・・という考えになります。
私の考えでは剛性を高めた方が良い箇所は

・ホイールのリム
・フォーク
・ヘッド回り
・サドル

逆に下げた方が良さそうな箇所は

・シートチューブ
・シートポスト

ちょっとだけ下げて乗り手にあわせて調整しといた方が良さそうな箇所は
・タイヤ
・ホイールのスポーク張力

というような考えになってます。
ホイールのリムは前にも書きましたが、真円が保たれることというのが非常に重要だと思います。
真円が崩れると転がりませんから。
いびつな円と真円なものを転がしてどちらがよく転がるかは明らかです。
いびつな円形のものを転がすとがたがた振動が発生しますし、上下運動が生まれてその分位置エネルギーが無駄になります。
またリムが硬いとスポークの張力を高めることができるので少スポークにしたり、乗り手にあわせての調整幅が広がります。
だからリムは硬くあるべきです。
フォークやヘッドも操舵性に影響しますから硬くあるべきです。
パヴェやシクロクロスで悪路を走る場合などは少しMTB寄り考える必要があるので、多少柔らかい方が良いかもしれませんが、ロードバイクで舗装路を走ることを考えるなら硬い方が良いと思います。
サドルも私は硬くあるべきだと思います。
フルカーボンサドルを使って思いましたが、形が合っていればクッションは必要ないということを知りました。
フルカーボンサドルに、発泡ゴムなどを貼ってクッション性を高めたことがありますが結果としては良くありませんでした。
これもクッションを増やす=変形することが良いというわけではない例の一つだと思います。
もともと、クッションがなくても元の状態でお尻にしっかり合っているのに、そこで無駄に変形してしまうと合ってない状態になってしまいます。
なのでサドルはお尻に合っている形状であることが前提になりますが、その前提をクリアすれば硬い方が良いと考えます。

しかし、それでは衝撃がモロに身体に伝わってしまうので痛みや疲労が大きくなります。
なのでシートチューブやシートポストの剛性を下げるべきだと思うのです。
そうすることでサドルはお尻に合った形のまま動き、クッションの役割も持つことができます。
具体的に言うとシートチューブは前後方向への衝撃を吸収してくれて、シートポストは垂直方向への衝撃を吸収してくれると良いかと思います。
もちろん体重を乗せただけで大きく変形してしまうほど下げるとサドルとペダルまでの距離が変化してしまいますからある程度硬くはないといけませんが・・・

またちょっと下げるべきと考えたタイヤですが、私はタイヤは路面に微小な凹凸を吸収してもらう方が良いと考えてるからです。
もちろんタイヤが変形することで真円が崩れてしまいますが、タイヤは剛体ではなく弾性体で、更に言うと真円でないからといって転がらないわけではありません。
剛体で真円が崩れてると、がたがたなりますが、 タイヤは接地面が変形し続けて転がっていくので、真円が崩れていても大きくがたがたなったり、上下運動が生まれることはありません。
なのでここはちょっと下げておくべきと考えます。
まぁタイヤは空気圧で調整できるので割と簡単な話ですが・・・
もちろん下げすぎるとカーブでよれるので限度があります。

また、スポークの話ですがこれも以前ちょっと書いたと思います。
http://sujigane.blogspot.jp/2013/03/blog-post_28.html
スポークの張力を調整することで、衝撃吸収性より意図的に駆動剛性を調節してライダーのペダリングスキルや、ダンシングのテンポに合わせてやった方がその人に合ったホイールになるので良いものが出来ると思います。

で、これらの話を色々考えるとどうなるのか?
じゃあその考えを伝えてオーダーすれば良いじゃん!というのはちょっとズルイと思います。
オーダー以外のことを考えて見ましょう。
そうすると答えとして出てくるのは

トレック DOMANE 6.9: (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
フレームはドマーネ(シート周りは柔らかく、他は硬い)


新進気鋭のカーボン専門ブランド エンヴィコンポーネンツ


フォークやリムはENVE(リムもフォークも硬い、そして軽い)

サドルはフルカーボンで合ったものを。

という構成になります。
問題はドマーネはフォークがちょっと特殊(オフセットが負になってる)なのでフォークを交換すると全体のバランスが崩れてしまう恐れがあるのですが・・・もし問題ないならこの組み合わせにしたいです。
これが既製品で考えると今の私にとっての答えとなります。
ドマーネのシートチューブを独立させて快適性を実現する考えはかなりすごいと思います。
私の考えのほぼ理想系です。というか実は逆で、この私の考えはかなりドマーネに影響されてるのですがw
走行への悪影響を極力少なくして、極上の快適性を実現してるわけですから。
かなり欲しいフレームです・・・
お値段が高くて今の私は買えませんが・・・
どこかで試乗したいけどサイズがなぁ・・・
では、今日はここまで!

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