2013年7月2日火曜日

ツール・ド・フランス 2013 第1&2ステージまとめ

今年もツールの季節がやってきました!!
一昨日から開幕したツール・ド・フランス。
ジロ同様にこちらで基本的に毎日レースのまとめをやって行こうと思います。
更新はしばらくそっちのまとめの話になりますが、できるだけレースのみならず機材などの話もしていこうと思います。

先ずは第1ステージ

初日から大波乱でした。
今日はそっちの話題が多いので機材の話は明日にでも。
一気に出しちゃうと、ネタ切れになっちゃいますし小出しにしてきます。

第1ステージは序盤に4級山岳があるものの、大したことはありません。
平坦ステージです。
そのためスプリンターのステージになる予定でした。

スタート前のパレードでまさかのスカイのフルームが落車という(幸いかすり傷程度の小さな落車だったようです)
なんだか不安な開幕でした。
スタート直後、5人の選手がアタック。
今日は平坦ステージなので逃げ切りは非常に難しいのですが、彼らの狙いは逃げ切りではありません。
最初の4級山岳です。
最初の山岳で、ここ一つしかないのでここを1位通過すれば、とりあえず明日は山岳賞ジャージを着る事ができます。
そのため、選手たちはかなり必死!
山頂前は、全員見張りあって蛇行しながらチャンスを窺うまるでゴールスプリント。
エウスカルテルのフアンホセ・ロバトが上手いタイミングで最後はまくり上げて山頂をトップ通過。
これでゴールすれば明日は山岳賞ジャージ!
ここの所、あまり良いところが見せれてなかったエウスカルテルには小さなことながら嬉しいジャージです。
そしてそれが済むと、先頭は諦めて集団に吸収されていくかと思いきや・・・

そうでもありませんでした。
5人の中に居たベテラン、ヴァカンソレイユのフアンアントニオ・フレチャが奇策で集団を惑わします!
栗村監督が命名していましたがフレチャ・スペシャルという技?で先頭集団はメイン集団の手のひらで踊らされるどころか、逆にメイン集団をコントロールしてしまうような奇策​でした。
さて、その奇策、フレチャスペシャルとは何なのか?
説明しよう!!
フレチャスペシャルとは先頭を逃げるフレチャが繰り出す技だ! 意図的にペースを落とし、後ろの集団との差を過度につめると集団はまだ捕まえたくない心理から一気にペースが落ちる。 それをうまく利用して、逆にタイム差を広げるのだ!



という、中々トリッキーな作戦です。(昭和仮○ライダー風の説明にしてみましたw)
この奇策のおかげで先頭集団はかき乱されます。
捕まえたくない距離で一気に集団が、先頭に追いつきそうになり、集団がペースを落としたら先頭は逆にペースを上げる。
これを上手くやってタイム差を一時は20秒まで縮めた後に、逆に約4分差まで広げました。
凄い策ですね。思いつくのも凄いですが、これをやるには度胸も要ります。
もし、集団につかまったらここまでの努力が無駄になるのですから…
ただ、このままでは先頭は逃げ切りは無理なので、失うものが無いからこんな大胆な奇策が打てるんでしょう。凄いフレチャ!!

で、そんな奇策で先頭は粘るもののやはり逃げ切りは難しかったようで残り36kmで吸収。
ここからレディオシャックの大ベテランのフォイクとが一気にペースが上がりました。
どうも横風を利用しての集団分断作戦だったようですが、そこまで風は強くなかったようで大きく集団が千切れることはありませんでした。
ここから総合狙いのチームが位置取りのため、前に上がりペースを上げます。
20kmを切るとスプリンターを擁するチームが今度は上がって位置取りを始めました。

しかし、そんな中、今日一番のハプニングが!
何と、ゴール地点にあるヴィッテルのバナーのアーチにオリカ・グリーンエッジのバスが引っかかって衝突してしまうアクシデントが発生。
バスはスタックしてしまい立ち往生してしまいました。
現地では爆発音のようなかなり激しい音があり、テロかと思われるほど一時、騒然としたようです。



こちらから画像を引用させていただきました https://twitter.com/NealKarlinsky/status...54/photo/1
しかも、選手はもう11km程度のところに来てしまっています。
つまり後10分くらいで選手は来てしまう!これは大変だ!
と、とにかくてんやわんや。
一回は、運営がバスが動かないので、ゴール地点を3km手前に変更するとの発表を出しました。
しかし、その3km前の地点は何とロータリーの手前で超危険です。
ここに60km/hを余裕に超える選手たちが突っ込んだら・・・とてもじゃないけど恐ろしすぎます。
心配していたら、今度は何とバスが動き出しました。
そのため、一度はゴール地点変更を発表したはずが、逆に元に戻すとの発表をしました(笑)
もうグダグダ過ぎますw
そんな大混乱の中、集団の中でも情報が錯綜してたようでした。
ゴール手前で、コンマ1秒を争い位置取りをしてる選手たちは情報の整理なんてできないですから当たり前ですが、ゴール地点の変更を聞いた選手、効いていなかった選手、元に​戻ったことを知っていた選手が混在していたようです。
そんな、混乱する集団の中で大規模な落車が発生。
有力スプリンターだけでなく、総合争いやステージ優勝の可能性のある有力選手が軒並み巻き込まれます。
中でも一番不運だったのはオメガファルマの世界選手権TTチャンピオンのトニー・マルティン。
残念ながら、鎖骨骨折で初日リタイアとなってしまいました。
この時期の鎖骨骨折という事は世界選手権は・・・一刻も早い回復をお祈りします。

落車には他にもサガン、カヴやジルベール、コンタドールも巻き込まれた様子。
直接こけなかったものの、他の選手と接触したのかグライペルもメカトラブルで止まってしまいました。
https://twitter.com/relations72/status/3...6805909504
(ちなみに、このときにグライペルは自転車を投げたりせず、片手で支えて立ちながら、静かにチームカーが来るのを待っていました。こういう姿は我々のようなアマチュアには​好印象ですね)

そうなると、最後のスプリントは生き残ったもの同士のサバイバルスプリント!
各チームのアシストたちが必死にゴールを目指します。
普段は、エースのために犠牲になってるアシスト達・・・しかし今日はそうではありません。
犠牲になるだけが仕事ではなく、もしエースがダメなら自分が何とか勝利をもぎ取る。
それもチームに所属するプロレーサーの役目です。
ゴール手前は大混乱。そんな中、カヴのアシストのテルプストラが早がけで仕掛けます。
しかしやはり、早すぎたのか後からきたルーランスに追いつかれてしまいます。
となるとルーランスか!?と思った瞬間。
アルゴスシマノのエーススプリンター、ルセル・キッテルが飛び出します。
昨年は不甲斐無い結果に終わってしまったキッテルですが、世界最高レベルのスプリンターの一人です。
アシストクラスの選手では到底太刀打ちできません。
しっかりとしたタイミングで飛び出したキッテルはしっかりと伸びて見事優勝。
波乱のレースを制しました!

なお、今回は大きなトラブルがあったため、ゴールでの順位は付くもののタイム差は無しのノーゲームになったようです。
そのため、怪我はどうしようもありませんがタイム差は無しのようです。
これだけは良かった・・・

その結果、何とキッテルはマイヨ・ジョーヌ、マイヨ・ヴェール、更にはマイヨ・ブランの三賞を独占するという結果に!
マイヨ・ジョーヌは初日優勝したから当然として、マイヨ・ヴェールに関してはもしサガンやグライペル、カヴが残っていたらこの3人は中間でポイントを稼いだので無理だった​と思いますが、三人は落車の影響でゴールでのポイントが稼げなかったので運よく獲得。
更には今年のマイヨブランは1988年1月1日以降の誕生の人が対象です。
キッテルは1988年5月11日生まれだそうなのでセーフ!
これもラッキーですね。
ステージ優勝+三賞で、一日に4回も表彰台に上がるなんて経験は九死に一生でしょう。
運も実力のうち・・・とまでは言いませんが、勝利を手にしたいなら幸運はともかく、不運だけは避けねばなりません。
今回キッテルは、上手く不運を避けることができて、それで残りは冷静に自分の力で、スプリントで他をねじ伏せ勝利したので、彼の勝利は素晴らしいものです。
とやかく言うのは見当違いってものです。
おめでとうキッテル!!(きっと去年までチームメイトだった土井選手は大喜びしてるはず)

怪我をした選手が心配ですが、ツールは続きます。


 第2ステージでこんな感じです!



第2ステージですが、既に3級と2級の連続するハードなステージです。
各選手の昨日の大落車の影響が心配されます。
なお、昨日はマルティンが鎖骨骨折とお伝えしましたがどうやら、何とか大丈夫だったようでリタイアせずに復帰してました。
それでもかなり腕には激しい裂傷があるようです。
昨日はその状態でゴールできたのでしょうか?
もしかしたらゴール前の落車で、ステージ自体もタイム差無しの特別措置がとられたので、あそこで転んだ選手は自力でゴールできなくてもゴール扱いになった?
よく分かりませんが、何とか走れるようで一安心です。

今日は前半から4人の逃げが決まりました。
AG2Rのカドリ、ベルキンのボーム、ヨーロッパカーのヴェイユ、エウスカルテルのルーベンベレスでした。
途中、ソジャサンのシモンが単独で追いますが追いつけませんでした。
最初のスプリントと山岳はこの4人が消化して行きます。
中間スプリントでは4位以下のポイントを争ってメイン集団でスプリントがありました。
昨日と同じような感じで、順位はグライペル、サガン、カヴの順番で僅かにポイントを稼ぎます。
2つ目の三級山岳では残り74km地点からヴェイユとカドリが飛び出します。
そして、その後、メイン集団からはヴォクレールが飛び出します。
その後先頭は、カドリ単独に少し遅れてヴェイユ、ヴォクレールが追います。
結局カドリ、ヴェイユの順で通過。ヴォクレールは飛び出しましたがポイントは稼げませんでした。
そのまま吸収されていきました。

その後、カドリはチェーン落ちのトラブルなどがありましたが必死に逃げ続けます。
そして2級山岳の手前、61・9km地点から今度はローランが飛び出していきます。
今日はヨーロッパカーは全員でいけるところで行けという指示だったようで積極的に動きます。
その後、ソジャサンのフェイユも追います。
その結果2級はローランが制して、カドリ、フェイユの順に通過しました。

ここからは長いダウンヒルで、少し平坦区間を走ったら最後、3級山岳がありゴールです。
ローランたちは何とか逃げようと飛ばしていきます。
この山岳で上りの苦手なキッテルやカヴなどはしっかりと遅れました。メイン集団から6分くらい既に遅れます。
逆に、サガンやシャヴァネル、ジルベールなどの上れてスプリントもできる選手は何とかくらい付いていったようです。

下りきったら位置取りも始まり一気にペースが上がります。
最後の三級では今度はヨーロッパカーのゴティエと昨日、世界を騒がせたフレチャが飛び出します。
しかしフレチャは付いていけずズルズルと下がり吸収。
ゴティエが踏ん張りますが・・・何とここでフルームが自らアタック!
去年の鉄壁の守りのSKYはどうしたのか?あれはSKYというよりウィギンスの考えだったんですかね。
それとは対照的な走りをするフルームというのも中々面白いですね。
結局、3級はゴティエ、フルームの順で通過。
フルームはその後、一人で行くかと思いきやペースを緩め集団に戻ります。
様子見だったのでしょうか?

そしてゴティエが再び吸収されると、残り7km地点で最後の逃げを狙うアタックがありました。
飛び出したのは、シャヴァネル、フグルサング、フレチャ、ヴァークランス、インサウスティ、モーレの6人でした。
これが非常に良いタイミングで、良い人数が揃い、そして意外と意思も乱れなかったのでメイン集団が中々詰めれません。
結局2kmを切ってもまだ捕まえられません。
そして残り1.8kmでヴァークランスが単独で行きます。
これのタイミングも非常によく、他が反応できませんでした。
集団がすぐそこまで来てますが粘りに粘り、結局それが決め手となって優勝!
精彩を欠くエース、アンディの活躍があまり期待できないのでどうなるか不安なレディオシャックに嬉しい勝利をもたらしました。

そして、そのすぐ後ではのぼりに耐えたスプリンター系の選手たちが2位以下のポイントを狙ってスプリントです。
クヴィアトコフスキーが良いスプリントを見せますが、サガンも生き残っていたので僅かに及ばず、サガン、クヴィアトコフスキー、チモライの順にゴールでした。

が、そんな中我々日本人には嬉しいことがありました。
何と、最後の集団のスプリントに新城も参加していたのです!

引用元:https://twitter.com/snobbish_tky/status/...56/photo/1
一番左端の白いナショナルチャンピオンジャージが新城選手です。
結果は12位でしたがツールのスプリントに残って争ってるだけでも凄いことです。
そして、それができるということはスプリント能力もそこそこはあるということ。
上手く逃げれば、その逃げ集団の中のスプリントを制する可能性が十分にあります。
いやー本当に今年のツールは楽しみですね。
もし新城が優勝なんかしたら私、次の日仕事休んで祝杯挙げちゃいますよw
ヨーロッパカーもエースのローランを守る仕事はしっかりさせますが、チャンスがあれば動かせてもらえるようなので期待できそうです。

では、今日はここまで!Bonne nuit!

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