2013年7月5日金曜日

ツール・ド・フランス 2013 第6ステージまとめ

Bon soir! TORIALです。

今日は第6ステージ。176.kmの平坦ステージです。



序盤の上りさえ何とかなればピュアスプリンターにとっては数少ない、まともに勝負できるステージです。
ただし、強風が予想されるステージなので油断はできません。

レースは序盤にアタックが決まりました…
が、これが何とも不憫でした。
アタックしたのはコフィディスのルイス・マテマルドネスでしたが、何と誰もついて来てくれません(笑)
それもそのはず、今日は平坦ステージなので集団のほうに分があり、更には強風が予想されるので逃げるのはあまり得策ではありません。
しかし飛び出して、決まってしまったものは仕方がありません。
とりあえず逃げて、スポンサーアピールでもしとくしかありません。

残り137km地点ではタイム差が1分36秒程度まで広げますが、中間スプリントを目指して集団がじわり速度を上げるとズルズルと下がっていき残り132km地点で結局吸​収されました。

中間スプリントでは、今回は逃げが無く、集団でやってきたので1位になればそれなりにポイントを稼げます。
マイヨ・ヴェールを狙うスプリンターたちはしっかり狙いをつけてアシストを受けながら争い
グライペル、カヴ、クリストフ、サガンの順で通過しました。
キッテルは今回絡んでこなかったので、完全にジャージよりステージ狙いのようです。
まぁ上りがスプリンターの中でも極端に苦手なのでジャージは難しいことは最初から分かってたので冷静な判断ですね。

そして中間スプリントを通過したあたりからどんどん風が強くなります。
先頭はスカイが牽引していきます。
これが特別ペースが速かったわけではありませんが、緩める気配も無かったため集団は少し長くなり、調子の悪い選手が遅れ始めてしまいます。

これの餌食なったのはFDJのブアニでした。
昨年はフランスチャンピオンになったまでの実力者ですが、落車の影響や胃腸の調子が悪かったらしくここでズルズルと遅れていってしまいます。
時速30km/hの強い横風が吹き、千切れた選手はどんどん遅れてしまいます。

結局粘りましたが、叶わずにブアニは残り90km地点で自転車を降りました。
非常に落胆し、悲痛な表情でした。

そのようなキツイ風が吹く中で集団もぴりぴりします。
一度分断されてしまえば、先頭復帰は難しく大きなタイム差を生んでしまう可能性があります。
だからといってむやみやたらにやれば、それだけ消耗してしまいます。
消耗してこの風の中を走ろうとして逆に自分がやられてしまう危険もあります。

そんな中、補給地点に差し掛かりましたが集団はペースが上がります。
普通はここでペースを上げるのは紳士協定というか暗黙の了解みたいなものであまり歓迎させることではないのですが、近年そういったものより戦略が重視されつつあるのでここ​での攻撃もある場合があります。
しかし、ここでペースを上げてしまうと選手は補給ができないので非常に大変な思いをします。
ここで補給できなかったチームは、後でわざわざアシストがチームカーのところまで行ってサコッシュやボトルを貰って運んでいかなければなりません。
そういった意味での攻撃になるので、アシストを消耗させるには有効かもしれませんが・・・
餌食になったアシストは同情を禁じえません。

そんなペースが上がる中、今度はアスタナのケシアコフが遅れてしまいリタイアとなってしまいます。
2人目のリタイアです。

ここから更に風が厳しくなるので、下手な動きはできません。
しかしペースを極端に緩めることもありません。
また、総合を狙う選手を抱えるチームでは、危険回避のために集団の前方の位置を争うような場面もありました。
大きな動きはありません(というか風が強すぎてできない)でしたが緊張した雰囲気で進んでいきます。

そしてゴールに近づいてくる中、今度はスプリンター系のチームも前に出てこようとします。
そんな中、残り32km地点で落車が発生。
何とこのステージでの優勝候補のカヴが巻き込まれてしまいます。
今日は風が強いので少し遅れると戻るのに体力を使ってしまいます。
アシストを使い、自動車の隊列をつかいながら22km地点で何とか戻ることはできましたがアシストもカヴも少し消耗してしまいました。
また11km地点でも落車が発生。
ここでは総合で表彰台を狙うアスタナのブライコビッチが落車してしまいます。
どうやら顎を打ちつけたらしく、脳震盪を起こしているようで中々立ち上がれません。
まだ残り3km地点ではないので救済措置は無く、結局何とか再スタートはできたもののここで大きなタイムロスをしてしまいます。

残り6.8km地点になるとスプリンター系チームの引きで集団はどんどん加速して行きます。去年の新人賞のタラマエもここで遅れていきます。

残り4.7km地点、いよいよ過熱してくる中でアルゴスシマノのトレインが集団の先頭に現れます。
ここまで、中間スプリントなどにも目もくれず、集団の中で息を潜めていたので体力を温存していたアルゴスシマノは完璧なトレインで牽引します。
そんな中、後では人数は少ないものキャノンデールもトレインを組んできます。
またカヴもアシストが殆ど残っていませんでしたが何とか先頭に残ります。
今日はアルゴスの日か?と、思ったらそのトレインを上手く利用したチームがありました。
ロット・ベリソルです。
アルゴスシマノのトレインの後にトレイン作り、ゴールがいよいよ間近になってきたところで前に出てきます。
その完璧なトレインのリードアウトを受けて、調子の良いグライペルが発射。
キッテルが迫りますが、追いつけません。
遅れたカヴやサガンも粘りますが、カヴは早々に見切りをつけてしまい後退します。

結局、優勝はグライペル。
次いで、サガン、キッテル、カヴの順でした。
初日は落車の影響でスプリントに絡めずに落胆していたグライペルですが、カヴに次いで勝利を挙げます。
ここで大きくポイントを稼ぐものの、サガンもしっかり残っていたのでマイヨヴェールはサガンがキープです。
サガンはまだ1勝もしてないのですが、ジャージを着ています…それもちょっと微妙なような?

また、最後集団のペースが上がっために中切れが起きていたようで、総合の順位に少し変動がありました。
今日までマイヨジョーヌを着ていたのはサイモン・ゲランスでしたが、同じグリーンエッジのダリル・インペイに引き渡されました。
同じチームなので、そんなに気になることでもないかと思ったら、そんな事ありません!
何と、このダリル・インペイ選手は南アフリカ出身なのですが、南アフリカ出身としては初のマイヨ・ジョーヌ着用という歴史的な瞬間でした。(ちなみに南アフリカ出身の選手​のツール初勝利はロビー・ハンターだそうです)
非常にラッキーですね。
グリーンエッジはこのツールで非常に目立ってます。
初日にはバスがゴールに引っかかり、第3ステージではチーム創設以来初のツールの勝利&マイヨジョーヌ獲得、第4ステージでも続いて勝利した上に史上最速の平均時速を記録​、そして第6ステージでは南アフリカ初のマイヨジョーヌ。
これはまだ何か面白いニュースを生んでくれそうです。
期待しましょう。

では、今日はここまで!Bonne nuit!

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